志布志市志布志町志布志
何かの呪文のようにも見える漢字11字の羅列。
どこか「上上下下左右左右BA」を思い出させ、ノスタルジーすら感じてしまいそうだ。
「志布志市志布志町志布志」は、呪文でも暗号でもなく、鹿児島県にある実在する地名である。
この漢字表記の異質さから、珍地名、読み辛い地名、日本で一番「志(こころざし)」のある場所といったことで、取り上げられることもある。
初見で読める人は、まずいないだろ
「志布志市志布志町志布志」
この地名を、初見ですらすら読める人は、まずいないのではないだろうか。
「しぶしししぶしまちしぶし」
と読む。
この地名が、何故、読みにくいのか?
その理由を考察してみると、5つの理由が重なっていることが分かる。
ここから理由を一つずつ説明していくが、それを知ったからといって、この後の生活で役に立つこともないし、心が豊かになることもないので、人生には目的や時間が大事という方は、今すぐこのページから離れることをオススメする。
理由1:地名が3回繰り返されている
まず、大きな要因の1つは、「志布志(しぶし)」という地名が3回繰り返されていることにある。
市名、町名、さらにその下にも付けられていて、「志布志」市「志布志」町「志布志」となっているわけだ。
もしこれが、「志布志町志布志」と書かれていたなら、「志布志町の志布志」と認識できる人も出てくるだろう。
こういうケースは、日本国内で他にも無いわけではない。
例えば以下のような例がある。
これらも3回繰り返されている。
ただ、この2つの例については、恐らく初見で読めてしまう人が殆どではないだろうか。
そうなると、3回繰り返されていることは、理由の一つであって全てではないことが分かる。
理由2:最後に「町」や「村」が付かない
これを見た時に、なんとか「町」の字を見付けることができた人もいるかもしれない。
その場合は、住所かな?という想像につながりそうであるが、その後が「志布志」となっていて、また謎の呪文が続くため迷いが生じてしまう。
ここで、先程の3回繰り返される例を再び見てみよう。
県、郡、村といった階層を表す言葉が最後についているため、地名であることがオートマチックに認識される。
その結果、「石川」「三重」という繰り返される地名も認識しやすい。
こちらは、最後に町・村といった文字がないため、地名を表していることを認識しづらいし、3回同じ地名が繰り返されていることも認識しづらい。
これがもし、最後に村や町が付く形であれば、この長い感じの羅列が地名を表しているものであることが認識しやすくなる。
もし仮に、上記のような名称であったなら、「志布志」という名称が地名であり、3回繰り返されていることが認識しやすくなる。
理由3:「志布志」の知名度が低い
3回繰り返される例で挙げたのは、「石川」と「三重」だ。
この二つは県名でもあるため、この2文字が地名であると認識できる方が殆だろう。
一方、「志布志」はどうだろうか?
この3文字を見た時に、地名であると分かる人はかなり少ないのではないだろうか。
その結果、同じ3回の繰り返しであっても、「志布志」の知名度が低いことで、地名を表す文字列であるとの認識をしづらくさせている。
理由4:「志」が2回出てくる
「志布志」という地名には、「志」という漢字が2回使われている。
これが3回繰り返されるため、「志」は6回も登場する。
その結果、何かの呪文のように思えてしまうわけでだ。
これがもし、志が1個だったらどうだろう。
理由5:「布」と「市」の文字が似ている
志布志の「布」と「市」の文字が似ていることが、認識のしづらさを地味に高めている。
地名であることを認識しやすい「町」の文字は、割と捉えやすいと思うが、「市」の文字は「布」と似ていて認識しづらくさせている。
もう少し細かく言うと、「志」「布」「市」は、上の部分が全て「亠」ナベブタのように見えることから、同じような文字が続いているように感じてしまいやすい。
理由が分かると、格段に読みやすくなる
ここまで志布志・・・が読みづらい理由を5つ解説してきた。
その結果、どうだろうか。
最初の珍紛漢紛な状態から、随分、変わったのではないだろうか?
理由を5つ知ったからというより、「もう初見でない・答えを知った」という要因の方が大きいのは確かだろう。