テーラーメイドのステルスグローレドライバーは、Mグローレ、SIMグローレに次ぐモデルです。
グローレにその時々のワールド展開モデルのテクノロジーを融合させたモデルで、軽量、つかまり、高弾道といったやさしさが満載で、特に日本人のスライサーからは絶大な支持が集まっているドライバーです。
一方で、飛距離性能にも優れていることから、意外にも上級者から高い評価が度々聞かれています。
ステルスグローレとヘッドスピード50m/s超えのハードヒッターが、思い切り叩いてみた結果が興味深かったので、取り上げます。
ステルスグローレドライバーを、ヘッドスピード50m/s超えで思い切り叩いた動画
こちらがステルスグローレドライバーをヘッドスピード50m/s超えのハードヒッターが、フルスイングで思い切り叩いた試打した動画です。
ヘッドは10.5°で、シャフトはSPEEDER NX FOR TMのSです。この時点で、ヘッドスピード50m/sを超えるゴルファーにとっては、思い切り頼りないスペックではありますが、それがまた興味深い内容となっています。
動画の内容を踏まえつつ、特に注目したいポイント点について、以下に詳しくまとめました。お時間のある方は、動画をゆっくりご覧頂いて、打音や弾道などをじっくり確認してもらえればと思います。
ステルスグローレとSIMグローレの弾道計測結果
ステルスグローレドライバーの試打計測結果
試打 | HS | BS | ミート率 | 打ち出し角 | スピン量 | キャリー | 飛距離 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 51.1 | 70.6 | 1.38 | 15.9 | 4404 | 255.4 | 265.6 |
2 | 52.5 | 71.1 | 1.35 | 8.5 | 3386 | 255 | 273.8 |
3 | 53.9 | 73 | 1.35 | 14.7 | - | 272.4 | 286 |
4 | 55.1 | 72 | 1.31 | 17.7 | 3394 | 262.3 | 271.1 |
平均 | 53.15 | 71.675 | 1.3475 | 14.2 | 3728 | 261.275 | 274.125 |
SIMグローレドライバーの試打計測結果
試打 | HS | BS | ミート率 | 打ち出し角 | スピン量 | キャリー | 飛距離 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 52.4 | 70.6 | 1.35 | 16.8 | 4016 | 246.5 | 254.5 |
2 | 52.3 | 70.3 | 1.34 | 16.6 | 3068 | 262.2 | 274.9 |
平均 | 52.35 | 70.45 | 1.345 | 16.7 | 3542 | 254.35 | 264.7 |
ポイント1:ヘッドスピードが速いと、カーボンフェースの良さを感じやすい
ヘッドスピードが遅い方の場合、実は、カーボンフェースの賛否は両論です。
その要因として、カーボンフェースの柔らかさを好感する声がある一方、ヘッドスピードが遅めの方は爽快な弾きを好む方が多いためです。
しかし、この動画ではヘッドスピード50m/s以上で試打されていて、チタンフェースのSIMグローレとカーボンフェースのステルスグローレの両方を試打されています。
打感は柔らかくて、食いついている感じがする。
チタンフェースと比べてカーボンフェースの方は、食いつきが感じられ、打感が気持ち良いと評価されています。
ボールをつかんで離さない。つかんで曲げない。
食いつきの良さは、つかまりの良さにも影響しているようです。
「つかんで曲げない」と表現されていて、別の言い方をすれば、「右や左に滑らず、真っすぐ飛んでくれる」ということになると思います。
ポイント2:ヘッドスピードが速いと、初速が出ない
ヘッドスピードが55.1m/s出ているにも関わらず、ボール初速は72.0m/sで、飛距離は271.1ヤードです。
ヘッドスピードに対して、飛距離が全く出ていないことが分かります。
思ったよりも初速が出ない。もうちょっとびゅっと走ってくれるシャフトに交換した方が良い。
弾道計測結果から、主に3つの問題点が見えてきます。
- スマッシュファクターが1.31で、極めて低い。
- スピン量が3394rpmで、多すぎて吹けている。
- 打ち出し角が17.7°で、球が上がり過ぎている。
スマッシュファクターが低いということは、ヘッドスピードがボール初速に転化されていないことを意味していまして、この要因として、シャフトの柔さが挙げられます。
さらに、スピン量についても、シャフトをしっかりめにすることで、もう少し抑えることができると思います。
シャフトは、棒のように硬いシャフトを組み合わせることで、このヘッドスピードの衝撃を吸収せずに、ボール初速に転化してくれる率が上がる可能性があります。
また、打ち出しが高い点については、ロフト角10.5°のヘッドを使われていますので、9.5°にすることで改善します。
さらに、このシリーズにはステルスグローレプラスドライバーというロフト角・ライ角の調整機能を搭載したバージョンもありますので、その調整機能も駆使することで、さらに弾道の高さを抑えることができます。




