タイトリストのVOKEY FORGEDウェッジ 2023について、新たな特徴、前作との比較など、購入する前に把握しておきたい点について、3つのポイントをまとめました。
ポイント① ディスタンス系・ぶっ飛びアイアンを使っている人に対応
一般的にウェッジは、48°、50°~60°までのロフト角が揃っているのが一般的です。
ところが、最近のアイアンはストロングロフト化が進んでいて、ロフトが立ったモデルが増えています。
特にディスタンス系と呼ばれるぶっ飛びアイアンを使っている場合、ストロングロフトに引きずられて下の番手までロフトが立っていますので、ウェッジのロフトピッチが大きくなる問題が生じています。
▼ストロングロフトアイアンのロフト角の例
メーカー | モデル | 7番 | PW |
---|---|---|---|
テーラーメイド | ステルスグローレ | 27° | 41° |
〃 | SIM2 MAX OS | 25.5° | 41° |
キャロウェイ | パラダイムMAX FAST | 26° | 40° |
〃 | ローグST MAX | 27.5° | 41° |
〃 | ローグST MAX FAST | 27° | 41° |
ダンロップ | XXIOクロス | 25° | 37° |
こちらは人気のあるストロングロフトのアイアンのロフト角を一覧にしたものです。
以前まではディスタンス系でもPWが43°ぐらいでしたが、今は41°のものが出てきていて、中には30°台というものまで存在します。
6~9、Pの5本セットで購入する場合、PWが41°で終わり、続くウェッジが48°となると、急にロフトピッチが広がってしまいます。
VOKEY FORGEDウェッジも、前作の2021年モデルでは48~60°まででしたが、2023年モデルでは46°が追加されました。
41°の次のウェッジとして、46°を入れると、距離の打ち分けもしやすく、それに続くウェッジも適度なロフトピッチで揃えやすくなります。

46°があるとアイアンからのつながりが良くなる!
ポイント② フォージドでも異素材で重心が調整されている
フォージドと聞くと、軟鉄鍛造の一枚物をイメージする方が多いと思います。
ですが、VOKEY FORGEDウェッジは、CO-FORGINGと呼ばれる複合素材を同時に鍛造する製法が採用されています。
SM9ではタングステンが廃止されていますが、上図を見ると分かる通り、VOKEY FORGEDではトゥ側に異素材と思われるパーツが強調されています。
一般にアイアンやウェッジはネック側が重たい構造のため、重心位置がフェースセンターと一致しませんが、トゥ側に高比重の素材を配置することで、重心位置がフェースセンターに近づきますので、より芯で捉えやすくなります。
重心調整は番手により変えられていて、ロフトが寝るにつれて重心が高くなるように設計されています。
ロフトが立った番手では重心が低く、低スピンで飛距離が出しやすく、ロフトが寝た番手では重心が高く、スピンが入ってグリーンで止めやすくなっています。

フォージドでも異素材で重心設計がしっかりされている
ポイント③ 価格は10%アップ
46°が追加され、異素材で番手毎に重心調子がなされていて、良いこと尽くしな印象がありますが、価格にについてはやはり値上がりがありました。
昨今の世界的な物価高ですから、そのあおりを受けるのは致し方ないでしょう。
前作の2021年モデルは33,000円(税込み)でしたが、2023年モデルは36,300円(税込み)となり、10%の値上がりとなりました。
ちなみに、2019、2017年モデルは29,700円(税込み)、2015年モデルは23,760円(税込み)でしたので、物価高と関係なく値上げの一途を辿っている背景も見て取れます。
値段を考えて今回の購入を見送ったとしても、次作・次々作で値下げされるとは考えにくいですし、いずれ39,600円(税込み)になるのは時間の問題でしょう。