ゴルフクラブの外観が良かったり好みだった時に、「イイ顔」と言うことがあります。
では「イイ顔」とは、一体どんな顔なのか?
スポナビゴルフのゴルフ識者3名が、それぞれ「イイ顔」と思うアイアンを紹介しながら議論している内容が興味深かったので、詳しく取り上げます。
イイ顔のアイアンをゴルフ識者3名が紹介している動画
こちらが「イイ顔のアイアン」について、ゴルフ識者3名が自分のおすすめモデルを紹介している動画です。
登場する3名の識者は、ティーチングプロの石井良介氏、クラブフィッターの小倉勇人氏、ゴルフライターの鶴原弘高氏です。
3名それぞれが選んだモデルについて、特に注目したいポイントも交えつつ以下にまとめました。
三浦技研 TC-101アイアン
こちらはティーチングプロの石井良介氏が「イイ顔」として紹介しているアイアンです。
三浦技研から2020年1月に発売されているTC-101アイアンです。
プロなので、マッスルバックを選ぶの方と思いきや、キャビティーバックのアイアンです。ちなみに、TCはTour Cavity(ツアーキャビティー)の略です。
<石井良介氏による主な評価>
- 人生最後のアイアンでもいいと思うぐらい、見た目、打感など、気に入っている。
- 芸術性、日本刀のような切れ味みたいな美しさがある。
- ちゃんと打った時にはクラブに褒めてもらったような感じがして、感動を覚える。
一番重視しているところは?という問いかけに対しては、ヒールの角だそうです。
「イイ顔」として取り上げたにも拘わらず、構えていて自分で見えない場所を挙げています。
振り抜いた時のヒールの角と芝との接触の感覚が心地良いと述べられていて、感じられていることが、もはや見えているかのような感覚なのでしょう。
タイトリスト T100アイアン(2代目)
こちらはゴルフライターの鶴原弘高氏が「イイ顔」として紹介しているアイアンです。
タイトリストから2021年に発売されているT100アイアンです。
Tシリーズのアイアンの中で、最も上位の機種で、同名のアイアンが2019年に発売されていますので、2021年モデルは2代目となります。
<鶴原弘高氏による主な評価>
- 一番大事なのは、ヒールの高さ。高さがある方が構えやすい。
- 低いと、フェースが三角形っぽくて、つかまる感じがしない。落ち着かない。
- 俗にいう和顔のモデル。
- トップブレードは薄い方が好き。
ヒールの部分が低いアイアンとしては、スリクソンなどが上げられていて、やはり好みではないそうです。
確かにタイトリストのアイアンは、和顔と言う割に海外メーカーですが、ヒール部分の高さがあります。
フェース面が縦に広く見えるところに安心感を感じられるのかもしれません。
マスダゴルフ ファストマッスルアイアン
こちらはクラブフィッターの小倉勇人氏が「イイ顔」として紹介しているアイアンです。
マスダゴルフから2017年1月に発売されているファストマッスルアイアンです。
プロなので、マッスルバックを選ぶの方と思いきや、キャビティーバックのアイアンです。ちなみに、TCはTour Cavity(ツアーキャビティー)の略です。
<小倉勇人氏による主な評価>
- 1つ目は、ネックのつながり。ネックの丸(円柱形状)がギリギリまで行っているのが嫌い。
- シャンクしそうなイメージがある。
- ネックの丸みがスムーズに平らになっているものが好き。
- 構えた時に目に入る。スムーズにフェース面に繋がっているものが好き。
- 2つ目は、ネック部分の高さ。ネック部分が(バックフェース後方への)張り出し具合い。
- 堅牢生と言うか、ガバッとネックが出ている方が好き。
- 3つ目は、ブレードが湾曲していないもの。トップラインは細からず太からず。
- ちょいグースが好き。
性能面では、他に良いアイアンもあったものの、顔が良いものは無かったとのことです。
ゴルフはスコアよりも気持ち良さを重視しているとのことで、イイ顔の方がスムーズに始動できるという点も、顔を重視する理由として挙げられています。
まとめ
ゴルフ識者3名が思う「イイ顔」について取り上げました。
石井プロは顔というよりクラブを体の一部のように捉えていて、その感じ方を重視しているようです。
それに対して、鶴原氏、小倉氏は、自分のスイングを邪魔しない見え方、スムーズに振れそうな見た目を重視しているようです。
この3名のお話を聞いていて、「イイ顔」の意味自体がゴルファーによってそれぞれ異なっていることが分かります。
詰まるところ、「イイ顔」とは、自分が違和感なく構えて振り抜ける。そんなイメージが持てるかどうかかもしれません。