テーラーメイドのP790アイアン 2023。
Pシリーズの中で最もやさしく人気があるのがP790アイアンで、2023年モデルは4代目となります。
主な特徴など、購入する前に把握しておきたい5つのポイントをまとめました。
P790アイアン 2023
テーラーメイドのP790アイアンは、アスリート向けアイアンであるPシリーズの中で、最もブレード長があり、やさしいアイアンです。
最近のアイアンらしく、中空構造ながらマッスルバックのようにシャープな形状で、中に搭載したスピードフォームAirにより打感の良さも備わっていて、中級者から上級者までがターゲットゴルファーとなります。
ポイント①:番手毎に重心位置を変えている
P790アイアンに限った話ではありませんが、7番アイアンまでと8番以降で、実は構造に大きな違いがあります。
P790アイアンをご存知の方は、中空内部にタングステンがしっかり入っているイメージがあると思いますが、それは3~7番の話で、8番以降は全く入っていません。
そのため、7番までは重心が低く、8番から急に重心が高くなっていて、セットとして見た場合に繋がりの悪い重心位置になっていました。
2023年モデルではこの問題に手が加えられています。
上図の通り、ヘッド内部の形状が番手毎に異なっていて、重心位置が番手が下がっていくにつれて徐々に上がって行く自然なフローに近づけられています。
▼ロングアイアンの内部ウェイト構造
ロングアイアンでは、ウェイトが下部に寄せられていて、低重心で球が上がりやすい設計になっています。
▼ミドルアイアンの内部構造
次にミドルアイアンでは、トゥ側の少し高い位置にまでウェイトが搭載されていて、8番以降で急に重心位置が高くならないよう、ミドルアイアンから重心を上げています。
さらにアイアンはネック側に重量が寄りがちですが、トゥ側に内部ウェイトを寄せることで、左右方向の慣性モーメントを高め、寛容性を高めミスの無いショットが出やすくなっています。
番手毎にただウェイト重量を変えるだけでなく、ウェイトの配置箇所まで複雑に変えていますので、アイアンセットとしての出来が向上しています。
ポイント②:上の番手はやや飛距離の差が出しにくいか
前作と比べて、ロングアイアンは低重心化が図られていて、球が上がりやすくなっています。
それが影響してか、楽に打てる分、飛距離の差が出しにくいと感じられるかもしれません。
▼ロングアイアンのロフトピッチ
番手 | P790 ’23 | P770 ’23 |
---|---|---|
3番 | 19° | 19.5° |
4番 | 21° | 22.5° |
5番 | 23.5° | 25.5° |
実際、P770アイアンと比べてみると、P790アイアンはロフトが立っている分、ロングアイアンのロフトピッチが狭くなっています。
ロフトピッチが狭いと飛距離の差が出しづらくなりますので、3番・4番あたりを多用される方は、この辺りを試打して確認されると良いでしょう。
ポイント③:打感はさらに良くなっている
P790アイアンは、2021年の3代目で制振材のスピードフォームAirが従来比で69%もの軽量化が図られています。
最適重心化には大きく貢献していますが、打感がやや硬くなったという声が多く聞かれました。
2023年の4代目では、スピードフォームAirが更に進化していて、打感はフォージドとは異なるものの、ムチッとした心地良い打感になっています。
番手ごとに異なった「サウンド スタビライゼーション バー」を内蔵させることで、「SPEEDFORM AIR充填剤」との相乗効果でフィーリングがさらにUP。
打音についても、サウンドスタビライゼーション バーが搭載されていて、フィーリング全体がテクノロジーにより向上しています。
ポイント④:標準シャフトにダイナミックゴールドが追加
公式サイトにて掲載されている標準シャフトは、2021年モデルではNSシャフト2種類でしたが、2023年モデルではこれにダイナミックゴールドが追加されています。
シャフト | 2023 | 2021 |
---|---|---|
NSプロ MODUS3 ツアー105 |
S(106.5g) | S(106.5g) |
NSプロ 950GH neo |
S(98g) | S(98g) |
ダイナミックゴールド EXツアーイシュー |
S(131g) | - |
ダイナミックゴールドが加わったことで、131gのよりしっかりめのシャフトも選択可能になっています。
ポイント⑤:価格はややアップ
昨今の世界的な物価上昇のため、ゴルフクラブの値上がりは致し方ない部分ではありますが、P790アイアンについても多分に漏れず値上がりしています。
シャフト | 2023 | 2021 |
---|---|---|
NSプロ MODUS3 ツアー105 |
31,900円 | 30,250円 |
NSプロ 950GH neo |
31,900円 | 30,250円 |
ダイナミックゴールド EXツアーイシュー |
31,900円 | - |
公式サイトでのセット価格は、2021年モデルが¥181,500で、2023年モデルが¥159,500となっていまして、逆に値下がりしたかのような印象を受けます。
しかし、セット内容が5~9・Pの6本組から、6~9・Pの5本組に代わっていますので、1本単価で見れば約5%の値上がりです。
まとめ
P790アイアンの2023年モデルについて取り上げました。
アスリート向けアイアンでありながら、飛距離性能と寛容性がありつつ、スピンが入って球が上がるため、中級者を中心に非常に人気があります。
前作も出来が良いと言われていましたが、今作もコンセプトを維持しながら正統進化しています。